スマートウォッチの血圧は正確ですか?
血圧測定には2つの方式がある
- スマートウォッチの血圧測定には、大きく2つの方式があります。
- カフ式(オシロメトリック法)
- 光学センサー(PPG)で「推定」する方式
日本で医療機器として認証されているのは「カフ式の一部」だけ
日本で、血圧の“数値測定”について医療機器としての認証を受けている腕時計型のデバイスは、ごく限られています。
認証を受けているのは、カフ式を採用した一部の製品です。
一方、カフを使わずセンサーだけで推定するタイプや、日本で認証を受けていない製品もあります。
「血圧が出る」からといって、すべてが医療機器として認められた測定とは限らない、という点を知っておいてください。

カフ式による測定
病院や家庭で使われる血圧計の多くは、加圧により測定する仕組みとなっている。
加圧による測定では、「オシロメトリック法」を採用するケースが一般的だ。
- 実際には「カフ」というバンドを巻き、空気で加圧してから徐々に圧迫を緩めていく。
- この間にカフが検出した圧力の変化を調べることで、血圧を測定する。
多くの家庭用血圧計は、オシロメトリック法(脈波振動解析法)を用いて血圧を算出します。
この方法が「正確」と認められるためには、国際的な精度基準(ISO 81060-2)を満たす必要があり、水銀血圧計との平均差が±5mmHg以内、標準偏差が±8mmHg以内であることが求められます。

センサーによる推定
一方スマートウォッチの場合は、心拍数や血流などの測定を組み合わせることで推定する方式が主流となっている。
- 心拍数は電気信号、血流は光学センサーを用いて測定するケースが多い。
- 血流の測定では、緑色LEDによる光を血管に当てる。
- 血液は緑色の光を反射する性質を持っているため、血流の変化によって光学センサーが検出する反射量も変わる。
- こうした反射量の変化をもとに、血流を判断する仕組みだ。
ただし先述した加圧による測定と比べて、この方法では測定に誤差が生じるのは否めない。
心拍数などからの推定では、異常な血圧であっても正常値を表示してしまうことも考えられる。
カフレスの推定値は、日々の大まかな傾向を眺めるくらいにとどめ、実際の判断は上腕の血圧計の値で行う。

医療機器認証の確認
血圧計は「医療機器」として扱われる。
したがって、薬機法に基づく許認可がなければ、血圧計の広告・販売は行えない。
- 数千円で売られている血圧測定機能搭載スマートウォッチ
- 厚生労働省の医療機器認可を受けておらず、表示される数値は医学的な信頼性がありません。
- 未認可スマートウォッチの血圧数値を信頼することの具体的なリスク
- 数値を信じて医師への相談を先延ばしにしてしまう
「血圧測定機能付き」と書いてあっても、医療機器認証を確認しましょう
認証のないモデルの数値は、あくまで健康管理の参考値として扱いましょう。

上腕でのカフ測定
高血圧の診断や管理の基本は、いまも上腕(二の腕)にカフを巻いて測る血圧計です。
- 上腕式は、日本高血圧学会(JSH)が公式に推奨するタイプで、医療機関で使用される測定法と最も近い精度を持ちます。
- 上腕の動脈は心臓に近く、血圧変動を正確に反映します。
- そのため、医師の治療判断に用いられる血圧値との整合性が高いのが大きな利点です。
- 家庭では、朝晩の決まった時間に、静かに座って測ることがすすめられています。
スマートウォッチの推定値や通知は、この基本を置き換えるものではなく、あくまで補助・きっかけとして使うのが適切です。
高血圧の通知が来たら、家庭血圧を測って記録し、高い値が続くなら受診する。